2023年 初詣の法話

『一日一善』

どこでもお正月になりますと修正会(しゅしょうえ)という法要を行なっております。この修正会というのはお経の中でも申し上げましたが、人々の安寧を願うために修するものでございます。

そして今日のお経では途中、諸悪莫作 諸善奉行(しょあくばくさく しょせんほうけい)という言葉が出てきました。全ての悪いことは一切辞めて、良いことを一生懸命やりましょうという意味です。
これは良いことをしなさいと言っておられます。皆さんも聞いたことがあると思いますが、善因善果という言葉があります。良いことをすれば、必ず良い結果が得られるという意味です。

簡単なことなのですが中々心の底から信じることが難しいのです。ともすると我々は自分だけ損をしているのではないかと常に周りと比較をし、良い行いをしようという意欲が減退してしまいます。
従いまして我々は良い行いをしようという前に、まずは悪いことは辞めてみましょう。悪いことというのはたくさんあります。例えば人を羨ましがったり、人をばかにしたり、争ってみたりと様々です。こういった日々の悪いことを抑えることによって今度は善の良い結果に繋がっていきます。

今日は新春を迎えて誠におめでたい初詣になっておりますが、ひとつ皆さんも今年の目標をなるべく身近なところで悪いことは抑え、そして良いと思うことを進んでやりたいと、ここで観音様にお伝えして頂ければありがたいなと思います。
ですから、せめて自分の気が付く範囲内で一日一個の善をしましょう。 例えば道路にゴミが落ちていたらそれを一つ拾う。これが一日一善ということになります。それを心掛けることが大切なのです。
今年のお正月は穏やかな良いお正月に恵まれたものですから、今年一年我々の気持ち・心もそうありたいと願い、そのためにはやはり日常の悪は慎み、善を進んで行っていきましょう。

最後になりますが、一日一善について少しお話をいたします。我々は本来良いことをたくさんやれば良いのです。しかし先ほど言ったように我々も人間の煩悩がありますので、毎日良いことを行うという訳にはいきません。

以上を持ちまして、1月の法要を終わりにさせていただきます。